ゲーミングPCといえば中堅どころのCPUとGPUでバランスのとれたモデルを購入する方がほとんどだと思いますが、GPUだけフルスイングしたらCPUはそこそこでもゲーミング用途で笑顔になれるのか?
前回検証した古いPCのGPUだけフルパワーのパターンとも比較し、そこから更にどれだけ伸ばせるのか?探っていく事にしました。
もくじ
前回の検証では
前回はCPUはi7 6700K、GPUはGTX1080無印という型落ちも激しいPCからGPUだけ7900XTXに乗せ換えてどれだけ性能が伸びるかを検証しました。
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古いPCのグラボだけ交換して幸せになれるのか?【RX7900XTX】
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今回はCPUも交換
今回はそこからCPUも交換。晴れて現役を名乗れるゲーミングPCになったと言えそうではありますが、そのCPUはというとRyzen7の5700X。省電力で良コスパのモデルではあるものの、Ryzenは7000シリーズも発売済みで、中にはX3dシリーズが存在する事も考えるとゲーミングに関して最強クラスとはとても名乗れません。(予算はグラボ優先でつぎ込むと決めていたのでこうなりました)
とはいえグラボが最強クラスなんだからCPUがそこまでじゃなくとも十分なパフォーマンスが出せるんじゃないかという期待を込めてのベンチマークになります。
そしてグラボのみを超強化した前回と比べてCPUも交換する事でそこからどれだけ伸びたのかも見ていきたいと思います。
検証環境
というわけで今回比較するスペックはコチラ。
CPU | intel i-7 6700K | AMD Ryzen7 5700X |
マザーボード | MSI Z170A GAMING M5 | MSI MAG B550 TOMAHAWK |
メモリ | PC4-25600 DDR4-3200(2666動作)32GB×2 | PC4-25600 DDR4-3200(2666動作)32GB×2 |
CPUクーラー | ENERMAX ETS-T40F-BK | DeepCool AK400 |
GPU | ASUS TUF-RX7900XTX | ASUS TUF-RX7900XTX |
電源 | Corsair 1200W | Corsair 1200W |
OS | Windows10 64bit | Windows10 64bit |
グラボのみ交換した前回からマザーボードとCPUだけをそっくり交換しています。CPUクーラーも違いはありますが、どちらもサイズ感的には似通ったものになっています。
CPUのみの交換とはいってもPCI-EがGen3からGen4に変わるのでGPU性能の方も伸びる事が期待できます。
ベンチマーク【i7-6700K vs Ryzen7 5700X】
Time Spy
まずは3DmarkよりTime Spyからの計測。
14325→22560(総合スコア)
22163→29162(GPUスコア)
4769→9883(CPUスコア)
CPUスコアも今回は2倍以上になりました。
GPUの方もGen4になった影響か、はたまたCPUの足かせが無くなったおかげか、きっちり数字を伸ばしてきています。
Final Fantasy XIV
FF14ベンチからフルHDプリセット最高設定での比較です。
19000→30620(FHD)
15433→18613(4K)
フルHDでは3万の大台に乗せる事が出来ました。CPUの影響もよく出るベンチなのでこちらも数字は大きく伸ばせています。
4Kになると強化具合は少し大人しい印象ですが、4KはGPU負荷のほうが大きく高まるのでこれも順当な結果と言えるのではないでしょうか。
Final Fantasy XV
別名オーライベンチの異名をとるFF15ベンチマークです。
プリセット高品質でフルHDと4Kをそれぞれ計測しました。
12284→17188(FHD)
10660→10975(4K)
フルHDではスコアが大きく上昇、しかし4Kでは微増に留まる結果となりました。4Kになるとグラボへの負荷が高まりボトルネックになっているのかもしれません。高解像度であるほどCPUの優先度が下がるという見方もできます。
Forza Horizon 5
レースゲームからはFH5。ゲーム内ベンチマーク機能を使って検証します。
解像度はウルトラワイドで遊びたい!って事で2560×1080のプリセット・エクストリーム設定です。
111→120(FPS)
こちらは解像度控えめにも関わらず結果は微増に留まっています。
このゲームは低解像度でもCPU負荷が比較的低くGPU性能次第という感じでしょうか。
Cyberpunk 2077
激重ゲームで有名なサイバーパンクのゲーム内で実行可能なベンチマークです。
こちらはプリセット・ウルトラからレイトレーシングとFSRをオフにして計測しています。
7086→8135(トータルスコア:FHD)
110.29→126.6(平均FPS:FHD)
4563→5133(トータルスコア:4K)
71.01→79.9(平均FPS:4K)
描画負荷が極めて高いゲームなだけあってこちらも差は小さめでしょうか。とはいえGPU交換時ほどのインパクトはないものの確実にスコアを伸ばしてはいます。
レイトレ抜きとはいえ4KでもFSR抜きで十分なFPSが出せていると思います。
まとめ:効果はあるが、差は描画負荷次第で縮まる
というわけで「GPUだけ交換した状態との比較」をしつつ「GPUさえ強力ならばCPUはそこそこでも十分なパフォーマンスを発揮できるか」を見てきましたがいかがだったでしょうか。
Time SpyやFF14のフルHDなんかは変化が激しかったですが、最近のゲームで解像度が上がってくるとスコアは伸びてはいますが差はそんなに大きくないんじゃないかなと個人的には感じます。
やはり新しいゲーム(のビッグタイトル)ほど描画負荷が高いのでグラボ最優先で予算を費やすべきなのかなと思いました。
これからPCを新調しようという方の参考に少しでもなれば幸いです。
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