Radeonのプレビュードライバに実装されたゲームのFPSを向上させる技術「AMD Fluid Motion Frames」(AMFM)。
動画をTVの倍速補完機能のように高FPS化する技術と同じ旧Fluid Motionの名を冠していますが、残念ながらゲーム用なので同じように動画をぬるぬるにする事はできません。
しかし新AFMFでそれが再現できる方法が発見されたようです。
もくじ
新AFMFで動画の倍速補完
海外サイトRedditのユーザーuncyler825氏がその方法を掲載。
ざっくり言ってしまえば動画プレーヤーをゲームとして認識させる事でゲームのフレーム補完をする同機能をビデオ再生にそのまま活用してしまおうという話です。
Reddit(海外サイト)
やり方
やり方・手順
- 1:23.30.01.02ドライバPatch 2をダウンロード
- 2:MPC-HC (x64) をダウンロード
- 3:DXVKをダウンロード
- 4:MPC-HCにDXVKの中身をコピー&ペースト
- 5:RadeonドライバでMPC-HCを追加
- 6:全画面でお好きな動画ファイルを再生
以下、1つずつ解説します。
1:23.30.01.02ドライバPatch 2をダウンロード
AFMF機能を搭載したRadeonのプレビュードライバ『Software: Adrenalin Edition Technical Preview Driver for AMD Fluid Motion Frames Version 23.30.01.02』はバージョンの数字は同じになっていますがこっそりとアップデートが入っていて実は3種類あります。
その内の2番目に当たるPatch 2のみがこの方法を再現できるそうです。
AMD公式のプレビュードライバは既に3番目のものに挿し変わっているので今から2番目をダウンロードするには下記のサイトへアクセスします。
guru3d(海外サイト)跳んだ先で少し下にスクロールし下記画像の赤い四角で囲んだ部分をクリックすればダウンロードできます。
なおPatch 2ドライバーはRadeon RX 6000シリーズに対応する前のものになり、Radeon RX 7000シリーズのみサポートされたバージョンになります。
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2:MPC-HC (x64) をダウンロード
動画プレーヤーMPC-HCをダウンロード、インストールします。
MPC-HCダウンロードインストーラと書庫タイプがあるので好きな方を選びましょう。
3:DXVKをダウンロード
dllファイルがパックされたdxvk-2.3.tar.gzをダウンロードします
DXVKダウンロード4:MPC-HCにDXVKの中身をコピー&ペースト
ダウンロードしたdxvk-2.3.tar.gzを解凍して出てきたファイルの内、x64フォルダの中にあるd3d9.dllとdxgi.dllをコピーし、MPC-HCのインストールフォルダにペーストします。
5:RadeonドライバでMPC-HCを追加
RadeonドライバのメニューからMPC-HCの実行ファイルをゲームとして追加・登録します。
6:全画面でお好きな動画ファイルを再生
あとはMPC-HCを使って動画を再生するだけですが、ゲームとして認識させているので全画面表示させないとAFMFの機能は有効化されません。
動画鑑賞はF11で最大化してから楽しみましょう。
注意点
ドライバが不安定に?
動画を開いてAFMF有効化中にRadeonドライバメニューを開いていると動作が不安定になりやすいです。これはAMD公式のドライバ配布ページに既知の問題として記載されているものです。
注意(日本語訳)
AFMF が有効になっているとき、ゲームの解像度が変更されているとき、またはタスクの切り替え (異なるウィンドウ間の Alt-Tab キーなど) が発生しているときに、断続的なドライバーのクラッシュが確認されています。
なるべく動作中にはドライバのメニューを開かないようにする事をおすすめします。
30FPS以下の動画におすすめ
効果を実感するには映像ソースが30FPS以下のものに適用するのがおすすめ。
元から60FPSの動画ではなめらかになる実感よりも倍速補完に伴う映像の不自然さなどのデメリットの方が大きく感じてしまいます。
まとめ:今後の正式実装にも期待したい
というわけでゲームのみならず動画もぬるぬるになる裏技でした。
Patch 2ではできたものがPatch 3では封じられているらしいので、今後の正式実装でも使えるようになるかどうかはなんともいえない微妙なところになっています。
もし正式実装されれば動画をぬるぬるにしたい勢にとって、旧Fluid Motionに対応している古いGPUを入手する必要性も低くなってくるので是非とも期待したいところですね。
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