『BIGBIG WON Gale Hall』レビュー!
ゲームコントローラー界隈で近年勢力を伸ばしていると評判のBIGBIG WONからエントリー~ミドルクラスのコントローラーとして発売済みだったGaleにホールエフェクトセンサー搭載のスティックに改良されたGale Hallが登場。
その性能もさることながら価格面でも非常に良心的で国内からの入手性も抜群。
というわけでホールエフェクトセンサー搭載機のその実力は?使い勝手を確かめてみる事にしました。
もくじ
BIGBIG WON Gale Hall
今回レビューするコントローラー『Gale Hall』はBIGBIG WON様よりご提供頂きました。
案件記事にはなりますが、悪い所は悪いと言って良い(要約)との事なので、気になった点もしっかりお伝えしたいと思います。
ホールエフェクトスティックとは
GPTに聞く
ホールエフェクトスティックとは、ホールエフェクトセンサーを利用した入力デバイスの一種です。一般的には、ジョイスティックやゲームコントローラーの一部として使用されることが多いです。この技術は、従来のポテンショメーター(可変抵抗器)を使ったジョイスティックに代わるもので、以下のような利点があります:
1:高精度: ホールエフェクトセンサーは磁場の変化を非常に精密に検出できるため、入力の精度が高まります。
2:耐久性: ホールエフェクトスティックには可動部品が少ないため、摩耗や劣化が少なく、長期間の使用にも耐えられます。
3:低摩擦: 物理的な接触が少ないため、操作がスムーズで軽快です。
4:安定性: 磁場を利用しているため、時間経過や使用頻度による性能劣化が少ないです。
ホールエフェクトスティックは、特に精密な操作が求められるゲームやシミュレーション用途で広く使用されています。また、工業用の機械制御やロボット操作など、正確な入力が求められるさまざまな分野でも利用されています。
従来のポテンショメーター式ジョイスティックに比べて高価な場合もありますが、その高い性能と耐久性から、プロフェッショナルな用途や品質を重視するユーザーにとっては非常に価値のある選択肢となります。
開封
まずはパッケージを開封して中身を確認していきます。
内容物
内容物としてはコントローラー本体以外に充電ドックとUSBタイプCケーブル1本、無線用ドングル、そして交換用の長さ違いのアナログスティック4本です。
アナログスティックは本体に最初から刺さっているものが一番短く、ミドルとロングが別で付属しています。
長いほど傾けた時の振れ幅が大きくなるので結果的に微調整がしやすくなります。用途やお好みで付け替えると良いでしょう。
価格を考えると必要十分な内容だと思います。
無線用ドングルは充電ドック背面に挿すところがあります。ドングルを挿したまま充電ドックをPCにUSBで繋いでおけば給電と無線接続役を兼ねる事ができます。
本体
本体のご尊顔(正面)。
中央列にスクリーンショットを撮れる追加ボタン(カスタム可能)と、
下部にはファンクションボタンが付いています。
ファンクションボタンを押しながら任意のスティックを押し込む事でデジタルデッドゾーン0設定が素早く行えます。
そして背面。
横一列に4つの追加背面ボタンがあります。
好きなボタンやキーボードのキーを配置できます。
重さ
Gale Hallの重さは232gでした。エリコン2を測ってみるとあちらは344g。
エリコン2は金属製の十字キー&背面パドルやゴムのグリップなど豪勢なパーツを使っている為か、かなりの重量級である事がわかります。
ドライバ
PC上で使う為にドライバソフトBIGBIG WON アシスタントを公式からダウンロードしていきます。
不審なダウンロードをブロックしました
と思ったらまさかの出オチ。Chromeでダウンロードを試みたところ不審物扱いされてしまいました。
もちろん構わずダウンロードしました。
どんな基準で不審扱いになるのか知る由もない素人意見ですが、ここで怖くなって立ち往生してしまう人も居るかもしれないので可能であればこうならないように改善して頂きたいところです。
まずは背面ボタン配置
インストールできたらまずは背面ボタンの設定。
背面ボタンにはM1~M4と刻印されているので実際の配置を確認しながら設定したいボタンをバインドしていきます。
ちょっと日本語が変な部分もありますが見切れてるだけという感じなので大体わかると思います。
「ーボードのキー配」タブを選べばキーボードのキーから選んで配置できます。
下の画像のように例えばABボタン同時押し設定も可能ですがキーボードとボタンの同時押しはさすがに無理っぽいです。
キーボードならば例えば左Alt+F1などアプリのショートカットキーを使うような配置も可能です。
背面ボタンはひとまず前面ボタンABXYを配置するのが一般的でしょうか。
こうする事でRスティックに手をかけたままABXYを押す事が可能になります。
デジタルデッドゾーン
そしてFPS系を嗜む方はアナログスティックのデジタルデッドゾーン設定をしておきましょう。
デフォルトでは12になっています。
0にすればちょっとでも触れると反応するエイミング向きの鋭敏なスタイルにできます。
デジタルデッドゾーンはマイナスの値も選べます。
こちらはゲーム側の設定でデッドゾーンが消しきれない場合に設定すると良い感じでしょうか。
他にも設定項目はありますが、差し当たって最初に弄っておきたい部分は大抵の場合上記2点に絞られるのではないでしょうか。
ジャイロに関しては無評価とさせて頂きます。
いづれも一応の日本語対応なので特に難しい部分は無いと思います。
実際にゲームでお試し
いくつかのゲームタイトルで実際にGale Hallを使って遊んでみました。
試したタイトルではスト6を除く全てで右スティックによるエイミングの要素があるので、個人的に右スティックは長いものにしておくのがオススメ。
オンラインFPS:APEX LEGENDS
ゲーム内設定でデッドゾーンを0、Gale Hall側でもLスティックのデジタルデッドゾーンを0にしてみました。
少し触れただけでも動き出す鋭敏な設定になりますが触らない状態では勝手に動く事はほぼありませんでした。
試しにエリコン2を挿したら0設定ではほっとくと視点が流れまくります。
ここまで違うと狙いやすさに明確な差が出てくると感じました。
オフラインFPS:Cyberpunk 2077
オフラインとはいえサイバーパンクも銃などでエイミングをする機会は多々あります。
そしてこのゲームもゲーム内コンフィグでデッドゾーンが調整できます。こちらでは0に設定するとさすがに視点が流れてしまいましたが、0.05くらいならば勝手には動かない状態にできました。
(同設定でエリコン2に換えるとやはり流れまくります。)
格闘ゲーム:ストリートファイター6
格闘ゲームに関してはGale Hallの十字キーが特別優れているわけではなく、丸形でもないので十字キーで操作する派の人にとっては残念ながら操作のしやすいものではないと感じました。
アナログスティックで入力する派の人ならばGale Hallのスティック操作の軽さからコマンド入力もしやすかったのでアリではないかと思います。
背面ボタンがあるのでインパクトボタンなどを配置できるというメリットもあります。
3Dアクション:Horizon Forbidden West
3Dアクションゲームでもスティックの操作性の良さは主人公を動かすのに気持ちの良いものでした。
Horizon Forbidden Westの場合は弓を武器にして戦うのでFPS同様狙いもつけやすいと感じました。
オンラインTPS:The First Descendant
Gale Hallお試し中に丁度リリースされてせっかくなのでプレイ。
連射系の銃器で撃つのがメインな感じのゲームなのでおあつらえ向き。以前ベータ版の時にエリコン2でプレイしていましたがエイミングに差が出て明らかに遊びやすくなりました。
ドラゴンクエストXオンラインでスティックが効かない問題
ドラクエXのプレイ時にもスティックの使い心地が最高・・・だったのですがアナログスティックが効かなくなる問題に直面してしまいました。
(一度発生するとコンフィグ上でもスティックだけが一切反応しません。)
この問題についてBIGBIG WONの営業の方に相談したところ、一部のゲームでキーボードとして認識されてしまう事があるとのこと。
とりあえずの回避手段として、Bluetooth接続をする事で動くようになると教えて頂きました。
ただしこの方法の難点として、
・せっかくの有線ポーリングレート1000hzが活かせない
・Bluetooth接続ではBIGBIG WONアシスタントに接続が認識されないので、設定を弄るには有線か無線ドングル式にいちいち切り替えなくてはならない。
・デスクトップPCではBluetoothが用意できてない方も居る可能性
などが挙げられます。
この問題についてはBIGBIG WONの開発部門に伝えて頂いたようで、今後のファームウェアアップデートで改善する可能性もあるとのコト。
もしも同様の問題に直面してしまった場合にはBluetooth接続で急場をしのぎつつ今後の改善に期待しましょう。
良かった点
それでは実際に触ってみて個人的に良かった点を。
良かった点
- ホールエフェクトセンサー
- ポーリングレート1000hz(有線限定)
- 必要十分な背面ボタン数とカスタマイズ性
- 3種の交換スティック
- PCツールでお手軽設定ができる
ホールエフェクトセンサー
やはりホールエフェクトセンサーのアナログスティックは操作のしやすさが明らかに異なります。
特にFPSやTPSの射撃要素があるゲームでは狙いやすさの違いに感動します。
ポーリングレート1000hz(有線限定)
有線限定ではありますがポーリングレートは1000hz。
僅かな遅れで勝敗を分けかねない対人系FPSをプレイする方にとってもはや必須の性能かもしれません。
必要十分な背面ボタン数とカスタマイズ性
背面ボタンは安価なものだと2つだけのものも多いですが、やはり4つあると前面ボタンABXYを全てカバーする事ができるのは心強いです。
3種の交換スティック
アナログスティックは長さの違うものをそれぞれ付け替えできます。
スティックの交換というと高級機のみの選択肢というイメージですがBIGBIG WONは安価なモデルでもばっちり揃っています。
気になった点
次に気になった点など。
気になった点
- スティック以外のボタンは並
- トリガーストップが無い
- 背面ボタン内側の2つが遠い
- ドラクエXでの不具合
スティック以外のボタンは並
ホールエフェクトセンサーのスティックは素晴らしいのですが、それ以外は基本的に並です。
ABXYもポクポク感あるごく普通のボタン、十字キーも丸形などと交換できたりもしないので可も無く不可も無しといったところ。
トリガーストップが無い
LRトリガーボタンはトリガーストップがありません、あればトリガーによる射撃などのレスポンス向上や手ブレ抑制が期待できるだけにやはり残念なポイントになります。
背面ボタン内側の2つが遠い
背面ボタンは横一列に並んでいて内側のボタンは指から比較的遠い位置にあります。
エリコンのようなパドル型は距離的にはどれも近くにあるので、慣れの問題かもしれませんが内側のボタンは少々押しにくさを感じました。
手が大きめの男性ならばこの点は問題になりにくい可能性もあります。
ドラクエXでの不具合
ドラクエXではアナログスティックが効かない問題に直面してしまいました。
ピンポイントな問題なのでプレイしない人には無関係ですが、プレイしているorこれからプレイするかもしれない人にとっては留意しておくべきものとなるでしょう。
まとめ:スティックの操作性は最高、コスパよし
というわけでGale Hallの評価をまとめると、
「優れたアナログスティックと必要十分な付属品を備えた良コスパモデル」
といった感じです。
トリガーストップが無いなど惜しい点もいくつか見受けられたものの、それを差し引いてもホールエフェクトセンサー採用アナログスティックの操作性は素晴らしいものでした。
付属品に関しても最低限欲しいものは一通り揃っているので追加パーツ購入で結局余計にお金がかかるという事もなさそうです。
さすがに格闘ゲーム用に向いているとまでは言えませんが、自分の好きなゲームにアナログスティックで狙いをつける要素が絡んでいる場合には採用を検討しても良いかもしれません。