濡鴉ノ巫女に次いでリマスターされて帰ってきた美少女+ホラーゲーム『零 ~月蝕の仮面~』(ゼロ~つきはみのかめん~)。
今作も元が古めなゲーム(初リリースは2008年!)なので当然のようにウルトラワイドには未対応です。
ウルトラワイド化の実現には濡鴉ノ巫女のケースを踏襲した方法となりますが、更にひと手間必要になっています。
Steamlessを実行
0:準備
本来ならば直ぐにバイナリエディタに行くのですが、そのままの状態で数値を弄ってしまうと本ゲームにおいてはなんとゲームが起動しなくなってしまいます。
これを回避するためにはこのSteamlessというツールでexeファイルをアンパックしてやる必要があるようです。
1:ダウンロード
下のgithub内Steamlessページからファイルをダウンロードできます。
リンクから跳んだ先のSteamless.vx.x.x.x.-.by.atom0s.zipというファイルをクリックして任意の場所にダウンロードしましょう。数字の部分はバージョンが進んで変わっている可能性があります。
2:インストールフォルダへアクセス
エディタの準備ができたら『零 ~月蝕の仮面~』の実行ファイルがインストールされている階層に移動します。
3:弄る前には必ずバックアップ
FATAL FRAME PZ Mask of the Lunar Eclipseフォルダ内にあるFATAL_FRAME_MOL.exeを見つけたら加工する前に必ず複製してバックアップをとっておきましょう。
4:Steamless実行
ダウンロードしたzipファイルを展開して出てきたSteamless.exeを実行しましょう。
上の画像のようにSteamlessのウィンドウが開くので上の赤い四角で囲んだ部分に本ゲームの実行ファイルFATAL_FRAME_MOL.exeをドロップし、一番下のUnpack Fileボタンをクリックします。
するとアンパックされた本ゲームの実行ファイルFATAL_FRAME_MOL.exe.unpacked.exeがゲームのインストールフォルダ内に出来ます。
これを元のファイル名FATAL_FRAME_MOL.exeに置き換えましょう。
(元のexeファイルのバックアップはとってある前提です)
バイナリエディタ弄り
1:バイナリエディタ「HxD Hex Editor」の準備
バイナリエディタを使用してexeファイルの数値を改変していきます。
この作業では定番のHxD Hex EditorというWindows用アプリがあるのでそちらを使用していきましょう。
2.5:フォルダへアクセスしてバックアップ
零 ~月蝕の仮面~のインストールフォルダへアクセスしてバックアップ、ですが前項のSteamlessの部分で既に済ませているという前提です。
3:HxD Hex Editorで開く
ステップ1でインストールしておいたHxDを起動します。
起動したHxDのウィンドウにFATAL_FRAME_MOL.exeをドラッグ&ドロップします。
メニューの検索>置換(Ctrl+R)で置換の小窓を開きます。
16進数タブを選択して
検索する文字列の欄に「39 8E E3 3F」と入力します。
置換後の文字列の欄には使用するモニターによって任意の数字を入力します。
他サイト様のコピペですが、解像度別の簡単な対応表は以下。
2560x1080 | 26 B4 17 40 |
3440x1440 | 8E E3 18 40 |
3840x1440 | AB AA 2A 40 |
3840x1600 | 9A 99 19 40 |
3840x1620 | 26 B4 17 40 |
5120x1440 | 39 8E 63 40 |
5120x2160 | 26 B4 17 40 |
6880x2880 | 8E E3 18 40 |
該当する箇所は4か所あり、その全てが置換された旨の表示が出れば完了。
4:ノイズフィルターを除去(任意)
ここからは任意なのでオマケになりますが、本作のゲーム画面には録画映像かのように演出する軽めのノイズが全体に乗っています。
これを除去して鮮明な映像にしたい場合はもう一度、
メニューの検索>置換(Ctrl+R)で置換の小窓を開きます。
16進数タブを選択して
検索する文字列の欄に「76 4E 6F 69」と入力します。
置換後の文字列の欄には「00 00 00 00」と入力します。
該当する箇所は10か所あり、その全てが置換された旨の表示が出れば完了。
書き換えたら上書き保存して終了します。
これのみでは単に映像が歪むのみ
濡鴉ノ巫女の時と同様、ここまでの工程では16:9の枠内に21:9の映像が押し潰されて収まった感じになってしまいます。
これだけだと状況が悪化しただけなので次項で更なる加工に臨みます。
ReShadeの導入
ReShadeは様々なゲームに色調補正やエフェクトを追加する事で画質、見栄えの向上を目指せるツールです。
この中にアスペクト比を制御する機能があるのでそれを利用します。
本項の画像中ではReShadeのバージョンにバラつきがありますが品質に問題はありません。
1:ReShadeのダウンロード
下記リンクからReshadeの実行ファイルをダウンロードします。
跳んだ先のページを下にスクロールするとダウンロードボタンがあるのでクリックして任意の場所に保存しましょう。
※バージョンの数字は日々のアップデートで変わります。
2:ファイルを実行してReShade導入
ダウンロードしたファイルを実行するとReShadeを導入したいゲームのexeファイルを選択する窓が開きます。
とりあえずインストール済みのものがずらっと並びますが、お目当てが見つからない場合はBrowse...ボタンを押して直接、零のインストールフォルダへ向かいFATAL_FRAME_MOBW.exeを選択しましょう。
選択したらNextを押します。
インストール済みのものがずらっと並びますが、お目当てが見つからない場合はBrowse...ボタンを押して直接、零のインストールフォルダへ向かいFATAL_FRAME_MOBW.exeを選択しましょう。
選択したらNextを押します。
レンダリング方式を選択する画面になるのでMicrosoft DirectX 10/11/12を選択します。
プリセットをインストールするか選択する画面になるのでここは何もせずNextを押します。
導入するパッケージを選択する画面になります。
最初に見える上部からは下の画像のように
SweetFX、Color effects、Depth3D、AstrayFXを選択し、(続く
スクロールバーを中ほどまで下げて
fubax-shadersを選択。(これが肝心)
Nextを押すと上で選択したパッケージのfxファイルをそれぞれ入れるかどうか決める画面に移ります。
基本的には全選択のままNextで良いと思います。
fubax-shadersの中にはAspectRatio.fxが含まれています。
これがウルトラワイドを実現する為のものなので必ずチェックを入れたままにしましょう。
※とはいえ最初から全選択された状態なので基本Next連打でOKです。
全て導入が終わればSuccessfullyの画面に行きます。
finishで窓が閉じられます。
3:ゲームを起動してReShadeの設定へ
ReShadeの導入を完了させてからゲームを起動すると画面上部にReShadeの字幕が表示されます。
ガイド通りにHomeキーを押すとReShadeのオーバーレイメニューが出てきます。
このメニュー操作はゲームがタイトル画面中でなくとも、いつでも出す事ができます。
最初は英語でチュートリアルが表示されますがSkipで良いと思います。
Homeタブのfxファイルを選択する一覧から
Aspect Ratio [AspectRatio.fx]を探してチェックを入れます。
チェックを入れると下にAspect Ratioの詳細を弄るオプションが表示されます。
ここのCorrect proportionsの数字0.000を上げて0.334にしましょう。(21.9の場合)
※それ以上のワイドモニターを使用している場合は数字を上げていけば画面が引き伸ばされていくので画面端に到達するまで数字を大きくしてみましょう。
準備完了
これで全ての設定が完了したはずです。
ここまで全て導入できていればウルトラワイド状態で無事ゲームが楽しめるようになっていると思います。
ゲーム中の仕様
メニューやロード画面、動画部分は引き伸ばし
1枚画のストーリータイトルやメニュー画面、そして動画垂れ流しのイベントシーンなどは引き伸ばし映像にはなってしまいます。とはいえ21:9くらいならばそこまで違和感はなし。
ゲーム本編やイベントシーンは問題なし
ゲーム本編やリアルタイムレンダリングで演出されるイベントシーンは問題なく21:9で楽しむ事ができます。
まとめ:横伸び問題も軽微か
というわけで前回リメイク済みの濡鴉ノ巫女と同様、加工の手間こそ多いものの引き伸ばされた部分はさほど気にならないレベルだと思います。
ウルトラワイドモニターを使用しているならばこのアスペクト比に適用せずに遊ぶのは勿体ないので、興味がある方はこちらの方法を試してみてはいかがでしょうか。
エンジョイ!
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