『MOJHON AETHER』レビュー!
旧BIGBIG WON、現MOJHON(モジョン)から価格を限界まで抑えつつも機能性を追求したコスパモデルが登場しました。
コントローラーも近年では機能性を求めると金額が5桁を超えてしまう事もザラなので、もしこの価格で必要十分な機能も備えているとしたら大助かり、PC用コントローラーの安牌となりそうですが果たして。
というわけでMOJHON AETHERの使い勝手を確かめてみる事にしましたが、
先に結論を言ってしまえばお値段以上の素晴らしいコントローラーでした。
もくじ
MOJHON AETHER
今回レビューするコントローラーAETHER(エーテル)は旧BIGBIG WON、現MOJHON(モジョン)様よりご提供頂きました。
案件記事にはなりますが、例によって悪い所は悪いと言って良い(要約)との事なので、気になった点もしっかりお伝えしたいと思います。
特徴
MOJHON AETHERの特徴・セールスポイントは以下の通りです。
AETHERの特徴
- ホールエフェクトスティック搭載
- 1000Hzのポーリングレート
- 背面に追加ボタンを2つ搭載
- 中央液晶パネルで簡単設定
- USBドングル付属
- これだけ盛って価格が4,000円以内の低価格帯
カタログスペックだけで見た場合にホールエフェクトスティック搭載、1000Hzのポーリングレートを備えつつのこのお値段なので正直破格ではあります。
ただしそれだけで手放しで褒められるわけではありません。
例えばスティックがいくら良くても仮に十字キーの使用感が最悪だったならば評価は大きく下がります。
全ての入力が平均以上でなければ高い評価が得られないのがゲームコントローラ―というものだと思います。
外観・仕様
まずはパッケージを開封して中身を確認していきます。
内容物
内容物としてはコントローラー本体以外にドングルと公式サイトへのQRコードが書かれたカードのみと非常にシンプルです。
PCとの接続や充電はUSB Type-Cですがコストカットの為かUSBケーブルも付属していないのでこの点は注意が必要です。
既に余っている人にとっては不要な場合もありますから致し方なしという所でしょう。
本体
本体のご尊顔(正面)&ドングル。
中央部に小さい液晶パネルを備えています。下部にはFN(ファンクション)ボタンが付いています。
AETHER(エーテル)はPC上やスマホのアプリではなくこの液晶パネルにメニューを映して直接設定を弄る事ができます。
そして背面。
廉価モデルながらも追加2ボタンがあります。
前述の液晶パネルから好きなボタンを配置する事ができます。
重さ
AETHERの重さは216gでした。
過去のデータを引っ張ってくると
GALE HALLが232g、
エリコン2が344g
でした。
GALE HALLと持ち比べても明らかに体感で軽いです。
エリコン2とはもう比較にならない状況ですね。
大きさ的にはGALE HALLとほぼ変わらないぐらいなのですが、この軽さのおかげで相当持ちやすく感じます。
左がGALE HALL、右がXbox Elite Controller 2。
使用感
各ボタンの押し心地。硬さや押しやすさ、音など。
見出し部分に個人的な5つ星評価を付けています。
結果としては概ね標準以上という高評価。
大体1か所ぐらいは微妙な部分があったりするので驚きでした。
個人的特筆点はアナログスティックではなくデジタルパッド、十字キーです。
XYAB
表面はエリコン2やGALE HALLのようなツルツル加工とは若干違います。すべすべ系?
押し心地はポクポク系ですがエリコン2のようにカチカチと高い音が出ず静穏性がより高いと感じます。
押しやすさに関しては全く問題ありません。
※擬音ばかりの表現になっていることをお詫びします。
LB・RB
こちらは反対にエリコン2やGALE HALLよりも高い音が出ます。聞き比べれば少し目立つという程度で気にはなりませんでした。
押し心地は硬すぎる感じもなく至って普通です。特に問題ありません。
LT・RT
音や押し心地、深さは一般的なレベルです。
トリガーストップはGALE HALL同様無いのですが後述する本体の設定変更でアナログ入力からデジタル入力に切り替える事ができます。
これによって射撃などの素早い入力に使いたい場合にレスポンスを向上させる事が可能です。
レースゲームなどのようにアナログ入力が必要な場面以外ではかなり役立つと思います。
ビュー、メニュー
任天堂式に言えばセレクト、スタートボタンの事です。
液晶画面が付いてる分少し上部外側に付いている印象です。
GALE HALLなどの位置に慣れていると最初は指で探す感じになりますが、すぐに慣れました。
アナログスティック
アナログスティックはホールエフェクトスティック搭載という事もあってGALE HALL同様の感触です。
ここは当然文句ないレベルに仕上がっていると感じます。
十字キー
十字キーは十字型ですがエリコン2の丸形十字キーのように逆に反った形をしています。
そしてマイクロスイッチでマウス仕様のようなカチカチ音のクリック感がありますがこれがとても押しやすく、
⇨⇨など同方向に連続入力が必要な場面でもより素早く入力ができ、これ以上ない操作性だと感じました。
この十字キーは個人的に満点をあげたいです。
背面ボタン
背面ボタンは2つですが十字キー同様マイクロスイッチでマウスボタンのようなクリック感です。
こちらも十字キー同様とても押しやすく、GALE HALLのものより改善されていると感じました。
本体で完結する設定変更
AETHERはPCやスマホへドライバをインストールする必要がなく、本体の液晶パネルから直接設定を変更する事ができます。
中でも重要そうなものをここでおさらいしておきます。
中央液晶画面下にあるFNボタンを2回押せば設定画面に入ります。
背面ボタン配置の変更方法
最初の設定画面から【配置】をAボタンで選び、
【マッピング】を選択します。
【M1】が十字キー側、【M2】がABXYボタン側についている背面ボタンです。
例えばM1が変更したい場合にはM1にカーソルを合わせてAボタンを一度押すと、画面に変化が無いので少しわかりにくいですが配置したいボタンを選択する画面に切り替わっています。
なのでXボタンにカーソルを合わせてもう1度Aボタンを押します。
するとM1→Xと表記が変化します。
これでM1にXボタンを配置する事ができました。
同様の手順でM2にAボタンを配置すればこのようになります。
M1やM2以外の標準のボタンもやろうと思えば別のボタンの役割を持たせる事も可能です。
デジタルデッドゾーンの設定
アナログLRスティックのデジタルデッドゾーンは設定画面から【デッドゾーン】を選択します。
スティックを左か右か選び、
数値を十字キー左右で調整します。
デフォルトは12のようです。
ゲームによって精密な操作を求める場合には0に近付けてみましょう。
マイナスの数値にする事も可能です。
トリガーのストローク
LRトリガーには物理的に浅くする機能はありませんが、デジタルボタン化してレスポンスを良くする事ができます。
設定画面から【トリガー】を選択し、
左右それぞれトリガーのデジタル化ON・OFFを切り替えます。
アナログ入力が不要でレスポンスの良さが求められるゲームではこちらをONにしておきましょう。
オレンジの●が付いた状態がデジタル状態、黒がアナログ状態です。
キャリブレーション
キャリブレーションの設定画面に入るには
ビュー+メニュー(いわゆるセレクト+スタートボタン)長押しを入力します。
こちらはわかる方のみチャレンジしてください。
ゲームでお試し
いくつかのゲームタイトルで実際にAETHERを使って遊んでみました。
Monster Hunter Wilds
大人気モンハンワイルズ。
モンハンワイルズにAETHERならではの明確なアドバンテージがあるかというと本来微妙な所なのですが、
正直「全ボタンが平均点以上で重量が軽い」というだけで使い続ける動機になります。
AETHERが到着してからというものモンハンワイルズはずっとコレで遊んでいます。
ドラゴンクエストX オンライン
ドラクエXはAボタンの出番の多さとコマンド選択の為の十字キーの操作性が肝になるタイトルです。
Aボタンを背面ボタンに割り当てる事でRスティックによるカメラ操作をしつつもコマンドの決定がしやすくなる。
…という所まではエリコン2やGALE HALLと同様ですが、そこへAETHERの十字キーの使い勝手の良さが加わる事で更に上を行く機敏な操作性、迅速なコマンド選択が可能になったと感じました。
正直ドラクエXのコマンド選択に関してはエリコン2の丸形十字キーが一番だと思っていたのでこれには驚きました。
ストリートファイター6
格闘ゲーム・スト6に関しては優秀な十字キーのおかげで同方向の入力が求められる前ステ、ドライブラッシュ、天昇脚などの入力がとてもしやすかったです。
ただし丸形の十字キーではないのでやはり波動拳などの回転させるコマンドに関しては一歩及ばず。また長時間プレイした場合には指が痛くなる事も懸念されるため、さすがに格闘ゲーム向きとまでは言えないと感じました。
アナログスティック側で操作する場合には特に問題はないと思います。
APEX LEGENDS
ゲーム内設定でデッドゾーンを無し、AETHER側でもRスティックのデジタルデッドゾーンを0にしてみました。
ほんの少し触っただけでもわずかに標準が傾き始める鋭敏な設定になります。
放置状態で視点が流れる事はなかったので、もう少し攻めた設定にするならデジタルデッドゾーンをマイナス方向に多少設定してみるのもアリかもしれません。
過去のデータではエリコン2だとデッドゾーン0設定ではほっとくと視点が流れまくるので、やはりホールエフェクトスティックが優秀という事なのでしょう。
まとめ:お値段以上の機能性アリ
というわけで総評としてAETHERの良し悪しをあげていきます。
まずは良い点。
AETHERの良い点
- ホールエフェクト搭載の高精度なスティック
- 本体で完結するお手軽な設定変更
- 優秀な十字キー
- デジタル化できるLRトリガー
- 残念なボタンが1つも無い
- 本体重量の軽さ
ホールエフェクトはもはや旧BIGBIG WON、現MOJHONのコントローラーとしては標準搭載になっているので、もはやユーザー側の感覚がマヒしてきている感もありますが、これがあってのこの価格というだけで価値あるものだと思います。
本体で気軽に設定変更できる点も個人的には高評価です。PC上のソフトでの変更が必要なほうが圧倒的に面倒だと感じます。
そしてくどいようですが十字キーの操作性の良さには驚かされました。
続いて残念な点。
AETHERの残念な点
- 背面ボタンが2つ(4つ欲しかった)
- USBケーブル非同梱
- スティックの長さを変える仕組みはなし
- トリガーストップはなし
- イヤホンジャックはなし
正直なところコスパモデルならば致し方ない点ばかりだと思います。
そこまでを求めると価格がどうしてもあがるであろうという事をあえて書いているだけでもあります。
ここらへんの機能まで求めるならばMOJHONのよりハイエンドな機種、現在で言えばBLITZ2などの購入を検討すべきというところなのでしょう。
昨今のコントローラーはより高性能なものが開発される一方で価格の水準もどんどんあがり5桁のものも珍しくない中、使いつぶしてもOKと言えそうなこの価格帯での優秀なAETHERは有力な選択肢となりそうです。