zen4が市場に出回る現在もこなれた価格面から売れ筋で上位に食い込むryzen7 5700Xさん。
省電力性とそれに伴う低発熱な扱いやすさが売りですが、zen3CPUの中で考えるとクリエイティブ用途に優れる5900Xやゲーミング特化の5800X3Dなど、コスパでは負けないもののパフォーマンスで考えると魅力的な兄弟が(そちらの価格の下落もあり)同じく売れ筋上位に食い込んできています。
というわけで今回はゲーマーのためのCPUであるryzen7 5800X3Dと比較してどうなのか?追加2万円払う価値はあるのか?やっぱり5700xはゲームで惨敗してしまうのか?その辺を今更ながら確認していきたいと思います。
もくじ
前回の検証では
前回はRadeon 7900XTXでグラボを揃えつつi7 6700Kとryzen7 5700Xでここ8年ほどでのCPUの進化を検証しました。
-
-
ハイエンドグラボがあればCPUはそこそこで良い?【6700Kvs5700X】
続きを見る
検証環境
今回比較するスペックはコチラ。
CPU | AMD Ryzen7 5700X | AMD Ryzen7 5800X3D |
マザーボード | MSI MAG B550 TOMAHAWK | MSI MAG B550 TOMAHAWK |
メモリ | PC4-25600 DDR4-3200 32GB×2 | PC4-25600 DDR4-3200 32GB×2 |
CPUクーラー | DeepCool AK400 | DeepCool AK400 |
GPU | ASUS TUF-RX7900XTX | ASUS TUF-RX7900XTX |
電源 | Corsair 1200W | Corsair 1200W |
OS | Windows11 64bit Pro | Windows11 64bit Pro |
GPUがRadeonなのでどちらもAMD Smart Access MemoryはOnにしています。
ベンチマーク【5700Xvs5800X3D】
CINEBENCH R23
まずは純粋なCPU勝負。
シングルスコアでは誤差かな?というぐらいの差で5700Xが勝っていますが、マルチになると(3DVcacheを乗せた代わりに発熱対策でクロックを下げられている)5800x3dにすら負けてしまいます。
これは3DVcacheの影響ではなく5700xの電力が抑えられている事が原因のようです。
(なのでここで勝ちたいだけならPBOなどの設定次第では省電力、低発熱を犠牲に5700xが上回る事も一応可能です)
Time Spy
3DMARKよりTimeSpyの結果がこちら。
ここは5800x3dが上回ってはいるものの差は少なめ。3DVcacheの影響はあまり無いのかなという印象です。
Final Fantasy XIV
FF14暁月のフィナーレベンチマークで最高設定のスコアを計測。
3DVcacheが効くという評判通り、ここはしっかり差をつけてきました。
ただしフルHDでは大差と言えるものの、4KではGPU依存の描画負荷が高まっているせいか差は縮まっています。
Final Fantasy XV
FF15のベンチマークで設定は高画質です。
こちらはFF14より更に描画負荷の高いタイトルなだけあって、フルHDではしっかり差をつけているものの、4Kでは差がとても小さく誤差レベルになってしまっています。
Cyberpunk 2077
描画負荷の極めて高いゲームで有名なサイバーパンク2077。
プリセットウルトラでレイトレーシングはオフでベンチマークのトータルスコアを現したものです。
こちらもやはりフルHDではスコアを大きく伸ばしていますが、4Kでは(おそらく誤差で)5800x3dが負けてしまう横並び状態になってしまいました。
ストリートファイター6体験版
こちらはベンチマークモードは無く、FPS上限も120fpsで少々特殊なのでオマケ程度ですが。
ワールドツアーモードで街中を自由に歩ける状態ではGPU負荷はそれほど高くならないものの、多数のNPCキャラが歩き回るシーンなので5700xでのプレイ中にCPU由来と思われるfpsの低下がありました。
そこで街中で特に重かった上の画像の状態「NPCアリス前(ボシュの背後)から道路側を見て、火吹きパフォーマンスをしているNPCザグルールの方を向いた状態」で平均fpsを計測しました。
画質は最高設定でフルHD解像度での測定になります。
注意点として上限が120fpsなので5800x3dの方はほぼ上限に張り付いてたまに数フレーム落ち込む程度だったので、上限が無ければもっとスコアは伸びていると思われます。
低いときで70fps台まで落ちていた5700xと比べれば明らかなスコアアップしているので、ゲームにおける表示キャラ数の多さでCPUへの負荷がかかるシーンに、純粋なコア数や動作クロックの高さだけでなく3DVcacheが効いていると言える一例となるのではないでしょうか。
まとめ:フルHDやCPU負荷の高いシーンに
というわけでフルHD環境で高fpsを目指す場合と、CPU負荷のかかる多数のキャラが動き回るシーンなどでは高い効果が期待できる一方で、4Kゲーミングの場合には効果が少ない場合も多いという結果になりました。
高fpsのフルHDプレイを考えているならば5800x3d、4Kゲーミングがしたいのであれば5700xを選び浮いた予算(現在の差額だと約2万円)で1ランク高いGPUを購入するというのが予算の使い方としては悪くないのかもしれません。
関連記事
ハイエンドグラボがあればCPUはそこそこで良い?【6700Kvs5700X】
ゲーミングPCといえば中堅どころのCPUとGPUでバランスのとれたモデルを購入する方がほとんどだと思いますが、GPUだけフルスイングしたらCPUはそこそこでもゲーミング用途で笑顔になれるのか? 前回検証した古いPCのGPUだけフルパワーのパターンとも比較し、そこから更にどれだけ伸ばせるのか?探っていく事にしました。 ※この記事にはプロモーションが含まれています。 もくじ前回の検証では今回はCPUも交換検証環境ベンチマーク【i7-6700K vs Ryzen7 5700X】Time SpyFi ...
コスパ重視な自作ゲーミングPCのおすすめパーツ選び【2023年夏】
ゲーミングパソコンは欲しいけどなるべく自作して費用を抑えつつ良いパーツを使いたい! というわけで少し選択の幅を持たせる事も意識しつつ価格を安くするおすすめPCパーツをご紹介します。 ※この記事にはプロモーションが含まれています。 もくじCPURyzen7 5700XRyzen7 5800X3DCPUクーラーDeepCool AK400DeepCool AK620マザーボードASRock B550M Steel LegendMSI MAG B550 TOMAHAWKメモリCORSAIR DDR ...
古いPCのグラボだけ交換して幸せになれるのか?【RX7900XTX】
PCゲーマーが所有するPC。時間が経過して性能的に古くなってきた時に買い替え以外の選択肢として真っ先に浮かぶのはグラボ交換でしょう。 CPUやマザーボードごとの交換と違って敷居が低い事もあり、自作経験のない方でも一度は考えた事があるのではないでしょうか。 というわけでゲーミングPCを買い替える予算でグラボに全振りしたら幸せになれるのか?せっかくなので試してみる事にしました。 ※この記事にはプロモーションが含まれています。 もくじASUS TUF-RX7900XTX-O24G-GAMING現環 ...
『スト6』ベンチマーク公開!120fpsを目指す最適解【5800X3D】
発売直前のタイミングで急遽リリースされた『ストリートファイター6』ベンチマーク。 対戦時のマックスフレームレートである60fpsを維持するには最近のPCゲームと比較すればそこまで高いスペックは要求されないのですが、バトルハブやワールドツアー中の上限である120fpsを目指すのに重要なパーツは何なのか? タイトルに答えは書いてしまっておりますが私なりの結論を記しておく事にしました。 ※この記事はあくまでベンチマークの最高水準を目指す事を目標にしたものになります。製品版のすべてのシーンで同様の結果が得られると ...